アメリカでの作陶生活その1

そもそもなぜアメリカで陶芸なのか?という人も多いかもしれません。陶芸=日本の物みたいな固定概念がなぜかあるかとお思いますが、陶器は世界中にあります。中国の景徳鎮やドイツのマイセンなどは誰しもが耳にしたことがあるかもしれません。器を使って食事をするという行為は世界共通ですので、もちろん世界中に多種多様な陶芸が存在しているわけです。

 

ではアメリカの陶芸でどんなの!?と文章で説明するのが難しいくらい少し複雑でアメリカの文化や歴史時代背景から推察するとわかりやすいかもしれません。もともとアメリカ人というは先住民に当たるネイティブアメリカンの人たちで、今のアメリカ文化を形成して来た人たちはヨーロッパからの移民の人たちです。よって、よくアメリカの文化を説明するのに「人種のサラダボール」なんて言葉が用いられる様に、アジア系、黒人系、ヒスパニック系、ヨーロッパ系、白人、などなど様々な方々が生活していて容易に多文化の一面に接することができます。

 

陶芸も同様、元々のネイティブアメリカンの陶芸は存在しているものの様々な国々から入って来た陶芸文化が枝の様に分岐し、現在のアメリカの現代陶芸の礎となっていると思います。日本からは濱田庄司が民藝運動をアメリカに持ち込み、かたやイギリスやドイツからはスリップウウェアや塩釉、スペインの技法といえはマヨリカなど様々な技術、技法が入って来ました。そしてさらには、アメリカ独自の表現の自由という文化が粘土を一つの芸術のメディアと捉え、陶芸を工芸ではなく純芸術の一つと捉える世界観も持ち合わせているのです。

 

ですから、当時アメリカの陶芸に出会った時のファーストインパクトは自分の予想をはるかに超えるもので、粘土の持つ表現の豊かさ、低音焼成されたオブジェクトの色の鮮やかさなど、自分が持っていた浅はかな陶芸の概念を脆くも打ち砕いてくれたのは言うまでもありません。そんなアメリカの陶芸との出会いがありながらも、最初は陶芸の基礎から様々なことを学び始めました。もちろん最初は手びねりから始まりとにかくあらゆるものを次から次えと制作する日々でした。